2013年5月16日木曜日

恵み

 「いただきます!!」

斜面の中腹で大きな声が聞こえた。

北海道の南部、日高山脈の麓。

今も多くのアイヌ民族が暮らす二風谷の山は今、春の恵みに溢れていた。

私たちにアイヌの暮らしを教えてくれるアシリ レラさんに連れられ、春の代表的な山菜、『行者ニンニク』、北海道では通称『アイヌネギ』収穫の為に山に登った。

登山を趣味にしている友人は、毎年のようにこの二風谷に来ていた。

彼女は「食べるという事は命を頂くのだ」という事をよく理解していた。

彼女の「いただきます」の言葉は、山の神に届いただろう。



斜面には沢山『アイヌネギ』が生えていた。

命に感謝している彼女に、カムイが応えてくれたに違いない。

私たちは、今までにない位、多くの収穫を得た。






山から頂いたうち、1/3を翌日の『カムイノミ』というアイヌの神事で神々と先祖に感謝と祈りを捧げる儀式に供える事にした。

『カムイノミ』で食べ物を供物として捧げる事は、実りへの感謝を表す。

これも、レラさんに教わった事。


『アイヌネギ』は急斜面に多く生息している為、収穫は時として危険をともなう。

が、通常ではお目にかかる事のない、自然の営み直面出来る事が多い。

この斜面では、土からしみ出た水が苔をつたって一滴一滴、岩をに落ち、下に流れていった。

自然の中では極当たり前の光景。

だが、コンクリートに囲まれた都会では決して見かける事はない。

都会に住む私たちは、この静かに流れ落ちる雫がやがて川となり、そこから生を得ている。

山は様々な恵みを今も与え続けている。


この大いなる恵みに感謝。


LoveLove&Peace



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